【簿記1級】社債取引(発行する側) [4]

 社債を発行する側の社債取引についてクレアールで勉強したまとめです。

社債取引

 満期保有目的債権と同様に社債を発行する側にも償却原価法には定額法と利息法がある。発行する側にとっては負債である。定額法は簿記2級の範囲のため省略。以下では利息法についてまとめる。

 社債取引ではクーポン利子率実行利子率の2種類の利息が出てくる。クーポン利子率は額面価額に対して乗じて社債を保有している相手に支払う金額を求める。実行利子率は、クーポン利子率による社債利息と償却原価法による社債利息の両方を含んだ利子率であり、発行した社債の簿価に乗じて求める。実行利子率によって求まった金額からクーポン利子率によって求めた利息を引くと償却原価法による金額が求まる。この金額を社債の簿価に足して発行価額を額面価額に近づけていく。実行利子率は社債の簿価に乗じ、クーポン利子率は額面価額に乗じることに注意

 社債の利払い日が決算と異なる場合については利払い日に償却原価法を行う。社債を発行した日が決算日と異なる場合(利払い日と発行日は同じになる?)、決算日には発行日から決算日までの月数の割合に応じて償却原価法を行い、利払い日には1年間の償却額から決算日に処理した分を引いた残額で償却原価法を行う。

抽選償還

 発行した社債を毎年定額で償還していく(定時償還、分割償還)。償還する相手は抽選で選ばれるため抽選償還と呼ばれる。償却原価法による金額の算出は上記と基本的には同じであるが、毎年定額で償還されて額面金額が減少してく点が異なる。前年の簿価・額面価額から償還した金額を引いた額がその年の簿価・額面価額となる。償還した金額を減らした簿価に実行利子率をかけ、償還した金額を減らした額面金額にクーポン利子率をかけてその差額を償却原価法による金額として求める。翌年は簿価に償還した金額を引いて償却原価法による金額を足した金額が簿価になる。以上は利息法による方法。

 抽選償還においては定額法では通常と異なる。額面価額が0になる前年まで、額面価額を足していく。その総額に対するその年の額面金額の割合を、最初の額面金額と簿価の差にかけることでその年の償却原価法の金額を算出する。

繰上償還

 定時償還において、予定より早く償還すること。早く償還した金額については償却原価法を行っていないため社債(負債)の金額が小さい。償還金額によって社債償還損益が生じる。社債償還損益で損が生じる場合もクーポン利息の支払いがなくなることによるメリットが生じる場合がある。

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